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インドと私の出会い

第21号 余談

 ターバンと言うと、写真集なんかにも載ってたりするのですが、サダージと呼ばれるシーク教徒とその他地域のターバンとは全くの物です。サダージのターバンはアートそのものです。

 私の夫自体はターバンを巻いてはいないし、インディラガンジーの暗殺事件以来シーク教徒は狙われると言う事で、現在髪を切ってしまってるサダージもいる訳ですが、パンジャーブでは、何度もターバンを巻いてるのを見ました。

 まず、下準備
1.子供の頃からの様に自分の頭にはお団子になった髪の毛があります。
2.サダージは髭も剃らないのですが、その髭の上を黒い細いヒモをあごから 頭に向かって結びます。
3.その結んだヒモの内側にあごひげを丁寧に入れ込んで いきます。
4.額にかかる様に細長い布を巻きます。(はちまきおでこバージョン)洋服の中の1色が入ってると尚、ベスト。
5.5センチ程に切った布を昔の漫画のおたふく風の時に巻いてる布の様に   顎から頭に渡し、頭のてっぺんでたま結びにします。

 これは仕事に行くまでの間髭が浮かない様に押さえつける為で、オフィスに着くまでバイクに乗ってるサダージがやってる時もありますし、家の中だけの事もあります。

いよいよターバンですが、
6.まず、7メートル程ある布の一方を自分、対角線になる側を 誰かに持ってもらい引っ張り合います。
7.それをぐるぐる巻いていきます。その巻き方がアートなのですが、口で説明出来ないので申し訳ないです。
8.5.で結んだ布のた結びをほどいて、あごから下にするっと抜き取ります。

 終わり

一人の時は布を引っ張る相手がいないので、ドアノブに結んで一人で布をしめたり、二日位ならターバンも型崩れしないので、すぽっと頭から抜いて、テーブルなんかに置いて、また出かける時はすぽっとかぶったり、サダージは警官でも帽子の代わりに、バイクならヘルメットの代わりに、認められています。誰か、結んでる時の画像を撮らせて貰えないかなー。

第22号 チャンディガルへ 1

 チャンディガルはパンジャーブの州都でうちの夫はインドで一番綺麗な所だと自慢してたのですが、バラの咲く綺麗な公園は私のいた時の季節ではなく、ただ単に親戚訪問に訪れました。

でも実はその親戚の事をうちの夫は嫌いだったんだなー。
何故かというと、ずるいらしいんですが、この親戚は金持ちでした。おばちゃんは死んだ夫に代わって州の議員に立候補し、それで、当選し、議員になったらしいのですが、家がデカイ。

お風呂だけで、当時私達が東京で住んでいた2DKマンション位ありました。それが何室もあるから、この人達は金持ちの日本人だと思って、私の事をちやほやするけど、日本に来たら驚くだろうなーと思ったものです。

 うちの夫が言うのには議員をやってると賄賂が一杯貰えるらしいので、お金持ちになるらしいです。このうちには立派なSUZUKIのバイクがありました。

ここでご飯をご馳走になりましたが、インド人家庭ってのは、普通、二品程度はカレーが出るのですが、その1品に見たことないカレーが出てきました。

名前は『カリー』(日本人が発音するとちょっと伝わりにくいですが)色は真黄色。味はヨーグルトにカレー粉を入れた様な奴で、すっぱいけど、カレーみたいという味がどうも私は合わなかったので私は残しちゃいましたが、インド人は案外普段食べてるらしく、日本のカレーやでは見たことないので興味のある方はレシピを添付しておきます。よかったら作ってみて下さい。

鍋に油を入れ、コリアンダー(粒)を黒くなるまで炒めます。
お好みでトマトか玉ねぎを入れて炒め(入れなくてもよい)ターメリック、塩、ガラムマサラ、粉赤唐辛子、ヨーグルトを入れ(あればベッサンというヒヨコ豆の粉をほんの少しだけ混ぜ、)(とろみをつける為に必要)20〜25分煮込みます。 出来上がり。

 これはご飯の上にかけて食べてね。

第23号 チャンディガルへ 2

 夫は5年ぶりにインドに帰ったので、色々友人に会う用事が多く、チャンディガルのかってのオフィスに同僚に会に行く事になりました。

 今(2001年)も、相変わらず、同じなんだけど、インドのオフイスで友人に会うというのは非常にパワーのいる事で、守衛に誰それさんに会いに来ました。と、記入して、中に入れて貰うんだけど、なかなか目指す本人に会えない。下手するとそんな人はいないと言われる事もある。だから人に会うと言うことは大変疲れる。その日も一人に会うのに半日潰れてしまった。
今、思えばああいうのをストレスが溜まるって言うんだろうな。

 ああ、日本の食事がしたい。

チャンディガルを後にして、今度はホシアイプールの先の村にある親戚のお医者さん夫婦を訪ねる事になる。元々アムリトサルで、開業医をしてたんだけど、アムリトサルは日本のガイドブックにもあった様に当時治安が荒れてて、危ないからという事で、引っ越してそこで開業したらしい。そこに1泊する事になりました。
ところが、何が駄目だったのか、ここで、またも大きくお腹を壊す事になる。

 これが、またピンチでした。 

第24号 ホシアイプール近くで

 何を食べたか分からないのですが、またも、突然、夜にお腹を壊してしまったのでした。夜中に襲い来る激痛。こういう激痛は我慢出来ないんですよねー。

 でもここは親戚のうち。泊るのも初めてで、言うのも恥ずかしい。でも激痛には我慢出来ないという事で、たった一人日本語を理解してくれる夫にお腹が痛い。と伝えました。

 そうしましたら、その親戚のうちの女性二人が私に付いてきなさい。と外に案内してくれました。ちなみに、その親戚はお医者様、田畑はありません。前にも言いましたが、人の田畑ではう○こはしない。と決まってる様なので、どうするんだろうと思っていたのですが、(お医者さんなんだからトイレくらい作ってよ。という気持ちでしたが)案内してくれたのはなんと、土手の上にある、線路でした。女性達は貨物が通る位で、今は旅客電車は通らないから。と言うのです。
電車のトイレは穴が開いてて、そこから用を足した物が落ちていくシステム。向こうが落とすんだから、最初から落としておいても同じだろうという考えなのだろうけど、女性達、懐中電灯で、下から照らしてくれる。
スポットライトですねーー。今度は下からだよ。恥ずかしいの、何の、丸見えじゃないの。お腹を壊すと、辛いよ。

※後日談ですが後に、早朝の電車デリー発というのに乗る機会がありました。朝一はすごいですね。線路にずらずら〜〜〜っと男の人が座って、並んで、用を足してるんですよ。それは隣の線路を走る乗客から丸見え。
一生の間に人のおしりをこんなに見る事はもうないんだろうなーという感慨深い一コマでした。

第25号 私達の観光旅行その1

 思えば、夫は私の為によくやってくれたと思う。
インドという所は移動や買い物に凄く体力を使う所で、日本ではここになければ、次の店なんて気軽に出来ることが、インドでは恐ろしく時間がかかる。
思い通りにならない度、私はむくれてました。

 私が熱望していた、タージマハルに行く事になって、パンジャーブのジャランダラに出たのはいいけど、夜行列車の切符が取れない。あっちのホームに渡ったり、こっちのホームに渡ったり、(インドでこういう動きはよくさせられます)遂に夫の知り合いとやらが見つかって、その知り合いが、闇で切符を取ってくれるというので、遂に私達は寝台車の切符を手に入れました。(でも、もしかしたら、闇切符売りだったのかもなあ)

 夫は知り合いに100ルピー札をこっそり渡しているので、なんで、知り合いが金を取るのよ。と文句を言ったんだけど、知り合いから金を取らないと誰から取るの?
と言われ、そんなもんかなー。と妙に納得しました。

 ところが、列車が出発したら、インド人にポンポンと背中を叩かれ、そこは私のシートだけど。なる事を言われてしまいました。
あの100ルピーは何なの〜〜?だけど、車掌があちこち場所を探し、別な寝台席を用意されたのでした。

 朝が近づき、ドカドカ少年達が乗り込んできました。
指定寝台は朝が来ると折り畳んで、普通列車になるんですね。
割り込んで座る少年に、指定は俺のだと怒る、おやじ、指定は夜だけさ、と口げんかが始まり、私も寝台席を慌ただしく折畳みました。

 アグラに着いた私はボロ雑巾みたい。髪はボーボーにはねてるし、前日の移動で体中ほこりで真っ黒。とにかく、インドの汚れはすごい。
一日町に出ると、帰って櫛で髪を梳くと、櫛が油ぼこりで、真っ黒になる位だから。。。着いて、初めにしたのは何と、駅での歯磨き。これが新婚旅行かなーーーー。鏡に映るボロボロの自分を見ながら、パーンを吐いた朱色に染まった流し台で、口をゆすいだのでした。

第26号 私達の観光旅行その2

 私の夫はカント駅からタージマハル迄歩くつもりでした。(本当はすごく遠い)オートリクシャーが寄ってきて、僕のに乗れ、俺のに乗れ歩くのは無理だととうるさい。

 観光地でありがちなのですが、乗ってもらった日本人からノートに一言書いて貰い、それを見せて、日本人を安心させて、オートリクシャーを利用させるというのがよくありました。

 そのドライバーも私に、東京の彼女だ。とか言って、ノートを自慢気に見せてくれました。

 ところが、『このドライバーは人が良さそうなので、乗りました。私は一人旅の学生です。ところが、占いがよく当たる、占い屋と土産物やに連れていかれ、占い屋が、最初は占っていたのに、途中から初体験はいつだったかとか、Hな質問ばっかりされて、今となっては興味本位で聞かれたと非常に腹が立っています。どうか、このリクシャーは利用しない様に。 ○○ ○×子』とありました。

いや〜こういうのは役に立つなあと思いました。
リクシャーワーラーに後で、いい事書いてあった?と聞かれ、
とてもいい事が書いてあったよ。と私達は去りました。

※ワーラーはヒンディ語で『屋さん』という意味、よく使います。

第27号 私達の観光旅行その3

 一番安い値段を言った、オートリクシャーをつかまえて、タージマハルに着いた訳ですが、降りる段階で、ドライバーが最初に契約した金額では少ないから、もう少し欲しいとごね始めました。

 これが、もし私なら、きっと約束が違うと揉めるのだろうけど、夫にしてみたら、こんなに安い金額では無理もないと思うみたいで、ケチな割には素直に払っていました。
そういうのが私には理解出来ないなー。

 別の話ですが、ガイドブックでは乞食にお金を与えると癖になるからあげない。とありますが、インド人にとると、あげてもいい人、あげない方がいい人の区別がある様です。

 インドの義母が、さ、あなたもあげなさいと、私の目の前で、乞食にお金をあげていましたが、私がこういう人はあげたら癖になるとあげないでいたら、義母は私にお金を渡しました。だから私もあげましたけど、金銭感覚ってのは、習慣が違うと大分違う様です。

 所で、タージマハルですが、すごく綺麗でした。
免許証を持った、カメラマン達が撮らせろ、撮らせろと寄ってきて、1枚でいいと言うのに、ポーズとってーとか何とか言って、思いっきり枚数撮って、その金額を請求するんですが、でもタージマハルはとても綺麗だし、写真は記念になるし、楽しかったなー。写真が出来上がって来たら、寝台列車移動したので、髪はボサボサのヨレヨレで、それが残念でしたけどね!

第28号 私達の観光旅行その4

 タージマハルはとても綺麗だったのに、夫はそう感動した様子もなくタージマハルを後に。

 元々手作り製品が好きな私に物売りの人の山がたかってきました。その中で私が興味を持ったのは、タージマハル細工を真似た石の透かし彫りや、色石のはめ込まれた、小さな小箱。日本円で1,000円だと言うので、高いから駄目だなー、と思い、相手にしないで、進んでいくと、二つ1,000円と値段が下がっていき、(これはインド土産売りの常套手段です。私は返事さえしないのに、勝手に値段を下げていくんです。)
遂にタクシーに乗り込んだときには4つで1,000円になってました。交渉すれば、もっと安くなったのかもしれませんが、もうタクシーには座っていたし、実は私はそれがすごく欲しかったので、購入しました。

 タクシーの隣に座った夫を見ると、針金を丸くした物にビーズがはまっていて、その針金をくるくる回すと、色んな形に変わるという変な物を100円位で二つも買ってました。多分、みやげ物売りも、インド人と日本人に売るものは違うんだなーと、妙に感動しました。

 私は『そんなん、10円やん。』なんてブーブー言いましたが、夫はいたく、気にいった様子で、駅に着く迄の間ずっとそれをくるくる回していました。
ちなみに、夫に、私の買い物は何と言われましたかと言うと、『日本に持って帰るのに重い(-_-#)』でした。

タージマハルからはデリーへ。
初めて泊まる、遠い親戚で弁護士やってる人のうちです。
テルクナガルという場所だったと思いますが、サダージ街。
というか、シーク教徒の集落と言うのかな。そこで、初めての
お湯シャワーを見ます。

第29号 今回は番外編

 どうも、更新日を過ぎても筆が乗らないので、今回はパンジャーブとは関係なしに、お休みバージョン。遅れたのに、すみません。

 今日はサーガルのミニ話でも。。

 日本に来ているコック達。その殆どがニューデリー辺りで一流レストランで働いていたコック達です。つまり、ある程度の高級カレーを作っていた訳です。日本と比べて、貧富の格差があるので、大金持ちなんかは家にコック達を呼び寄せて、100人以上の人の為の
パーティを開く様です。

 日本は何処にあるかは知らないけど、すごく裕福な国だと思っているインド人コック達。その中での笑い話。

 うちにいるソーバンは初めて、日本にやって来た時、サーガルのあるマンションを見て、そのマンション全体が新しい職場だと思ったそうです。

 所が、小さい一室を見て、ぼう然としたらしいです。こんだけ??みたいな。。

 私は言ったんですよ、インド人コックが前に1〜2人しかいないのに、そんなにデカイ訳ないじゃないの。って。そしたら、コンチネンタルで、中国料理コックとか日本料理コックとか色々いるって思ったんですって。

 これも、お国柄ですねー。

第30号 私達の観光旅行その5

 ニューデリーでは遠い親戚に当たる弁護士のお宅に滞在する事になりました。家は決して大きくもないのですが、洋式トイレに感動しました。まあ、エア・インディアのオフィスでも見る事は出来るんですけどね。

 一階の一部屋を貰い、そこのベッドで寝たのですが、寝苦しいのなんの、そのお宅の裏には大きな池というか、どんよりした沼があって、どうもそこから蚊がわいてる様で、ブンブンと顔の回りを虫が飛んで寝苦しいんです。払ってるのか寝てるのか分からず、それでも寝たのですが、

 翌日朝起きたら、夫がどうしたん 鏡見て!!と叫ぶんです。何かと思ったら、自分の顔が、ボンボンに腫れ上がってました。夫は私が慣れないインドで、病気にかかったと思った様でしたが、そうではなく、蚊に顔中さされたみたいで、酷いもんでした。蚊は日本の物と違い、半日もすれば、顔は綺麗になりかゆみもなくなりましたが、朝の腫れ上がった顔は今までに見る初めての顔でした。以降、蚊よけクリームなる物を買って貰い、それ以降はそれを使ってましたが、インドって食べ物もろくに食べていない人が多かったのに、こんなリッチな蚊よけクリームがあるんだと感心物でした。日本でも、その頃はまだ、あんまり使われてなかったんではかいかなと思います。

 ちなみに、ハエですが、インドの家庭には大きな扇風機状の物が天井についていまして、あれを回してる限りはハエは寄ってきません。ハエは風が嫌みたいですね。
ただ、難点はインドはすぐ停電するって事です(笑)

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サーガルのらあまです。

このコラムは、1989年のインド旅行のもの。主にパンジャーブでの出来事について書いています。




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